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AI研修の助成金が「75%」にならない理由|1人上限・eラーニング上限・消費税で実効助成率を計算

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AI研修の助成金「最大75%」は率で、戻る額は1人上限で頭打ちになります。大企業で1人44万円なら実効約45%。eラーニングの1計画15万円上限、税込・税抜の扱い、賃金助成と正味負担の違いを一次資料で整理します。

更新日:2026年10月27日。出典・個別条件は本文の確認日を参照。

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結論

  • 「最大75%」は助成率です。戻る額は、1人あたりの上限で頭打ちになります。中小企業のリスキリング支援コース(10〜100時間未満)では、1人の研修費が40万円を超えると75%を下回ります。
  • eラーニングは上限が低く、中小企業で1人1訓練15万円、大企業で10万円です。1人20万円の研修でも75%になりません。
  • 研修費を税込で計算するか税抜で計算するかでも、結果は変わります。支給要領は経費の項目に「消費税」を挙げていますが、扱いは労働局に確認してください。

「最大75%」は率で、戻る額ではない

人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コース(新しい事業やDXに必要な訓練を助成する制度)では、中小企業の経費助成率が75%、大企業が60%です。研修会社の案内では、この率が大きく書かれることがよくあります。

しかし、実際の経費助成は次の小さいほうになります。

  • 1人の研修費 × 助成率
  • 1人あたりの上限額

上限は、受講時間(実訓練時間)と企業規模で決まります。

実訓練時間中小企業の上限(1人)大企業の上限(1人)
10時間以上100時間未満30万円20万円
100時間以上200時間未満40万円25万円
200時間以上50万円30万円
eラーニング・通信制1人1訓練15万円1人1訓練10万円

出典:事業展開等リスキリング支援コース 概要リーフレット(令和8年度)、様式第6-2号(R8.4)。

1人の研修費ごとの実効助成率

実効助成率は「経費助成 ÷ 研修費」です。10〜100時間未満の研修で、1人の研修費を変えて計算しました。

1人の研修費中小企業(75%・上限30万円)大企業(60%・上限20万円)
20万円15万円(75%)12万円(60%)
33万円24.75万円(75%)19.8万円(60%)
44万円30万円(約68%)20万円(約45%)
60万円30万円(50%)20万円(約33%)
100万円30万円(30%)20万円(20%)

率どおりになるのは、中小企業で1人40万円まで、大企業で1人約33.3万円までです(上限÷助成率)。100時間以上の研修では上限が上がるので、この境目も上がります。

例:大企業が1人44万円・20時間の研修を20人に受けさせる場合

  • 44万円×60%=26.4万円 → 上限20万円で頭打ち
  • 経費助成 20万円×20人=400万円
  • 研修費の総額880万円に対して、実効助成率は約45%
  • 研修費の自己負担は480万円

eラーニングは上限が低く、賃金助成もない

eラーニング・通信制は、時間に関係なく1人1訓練あたり中小企業15万円、大企業10万円が上限です。率どおりになるのは、中小企業で1人20万円まで、大企業で約16.7万円までです。

例:中小企業で1人22万円・標準学習時間10時間のeラーニング → 22万円×75%=16.5万円 → 上限15万円。実効助成率は約68%です。さらに、eラーニングと通信制は賃金助成が出ません。くわしくはeラーニングの助成金で比べています。

税込で計算するか、税抜で計算するか

上位の研修会社の記事やシミュレーターは、税抜の研修費で計算しているものがあります。一次資料では次のように書かれています。

  • リスキリング支援コースの支給要領(0501)と人材育成支援コースの支給要領(06021)は、経費の支給対象の項目に「消費税」を挙げています。
  • 一方、様式第6-1号・第6-2号の注意書きで消費税にふれているのは、特定職業能力検定・キャリアコンサルティングの経費についての1か所だけです。
  • 受講料の消費税をどう扱うかを明記したQ&Aは見つかりませんでした。
  • 東京都DXリスキリング助成金は、募集要項で消費税を対象外としています。

中小企業が1人11万円(税込、税抜10万円)の研修を10人に受けさせると、税込で計算すれば経費助成は82.5万円、税抜なら75万円です。差は7.5万円です。資金計画は低いほう(税抜)で立て、申請前に労働局へ確認するのが安全です。

賃金助成は研修費の値引きではない

賃金助成(中小企業は1人1時間1,000円)は、受講中に支払う賃金への補てんです。研修費から引くと、負担が小さく見えすぎます。次の2つを分けて考えましょう。

  • 研修費の自己負担=研修費の総額−経費助成
  • 正味負担=研修費の総額+受講中の人件費+代行費−経費助成−賃金助成

また、同じ労働者が1年度に受けられる訓練は3回までで、この年度は支給申請日で判定されます。年度末に終わる研修は、申請日がどちらの年度になるかも確認してください。自社の条件は助成金計算ツールで計算できます。

よくある質問

Q. 人数を増やせば上限は上がりますか?
A. 上限は1人あたりなので、人数分だけ増えます。ただし1事業所1年度の上限(リスキリング支援コースは1億円)があります。

Q. 大企業でも使えますか?
A. 使えます。リスキリング支援コースは経費60%・賃金1時間500円で、1人上限は10〜100時間未満で20万円です。

Q. 上限を超えないように研修費を分けてもよいですか?
A. 訓練の実態と合わない分け方は避けてください。計画の立て方は、事前に労働局へ相談してください。

参考にした情報(確認日:2026年10月27日)

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