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結論
- eラーニング(動画などで各自が学ぶ形式)の研修は、人材開発支援助成金の対象になりえます。ただし賃金助成はなく、経費助成だけです。
- 事業展開等リスキリング支援コースでは、eラーニングの経費助成の上限が1人1訓練あたり中小企業15万円・大企業10万円です。さらに令和8年8月3日以降の計画届から、同じ人のeラーニングは1年度1回までになりました。
- 同じ1人22万円・10時間の研修でも、中小企業ならeラーニングは15万円、同時双方向のライブ研修は17.5万円が目安です。
eラーニングで変わる3つのこと
| 項目 | eラーニング・通信制 | 通学・同時双方向オンライン |
|---|---|---|
| 経費助成率(リスキリング支援・中小) | 75% | 75% |
| 経費助成の上限(中小/大企業) | 1人1訓練15万円/10万円 | 1人30万円/20万円(10〜100時間未満) |
| 賃金助成 | なし | 中小1,000円・大企業500円(1人1時間) |
| 同じ人の受講回数(1年度) | 1回まで(全体の3回に含む) | 全体で3回まで |
| 受講の確認 | LMSで修了日・受講時間・進捗率などを確認 | 実訓練時間の8割以上を受講 |
賃金助成がない理由は、支給要領で「eラーニングによる訓練等及び通信制による訓練等の場合」は賃金助成を支給しないと定められているためです(リスキリング支援コース0504ロ、人材育成支援コース06023イ)。それでも、受講中の時間は労働時間なので、賃金は払う必要があります。
年度1回のルール(令和8年8月3日から)
厚生労働省の変更点の資料では、リスキリング支援コースについて次のように示されています。
- 同じ労働者が1年度に受けられる訓練は3回まで。
- そのうちeラーニングによる訓練(ほかの実施方法と組み合わせたものを含む)は1回まで。
- 年度(4月1日〜翌年3月31日)は支給申請日で判定します。
- eラーニングの回数は、令和8年8月3日以降に提出された計画届による受講だけを数えます。
資料の例を表にしました(同じ人が令和8年度に受講した場合)。
| 計画 | 形式 | 全体の回数 | うちeラーニング | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| ① | eラーニング以外 | 1回目 | 0回目 | 支給 |
| ② | eラーニング | 2回目 | 1回目 | 支給 |
| ③ | eラーニング | 3回目 | 2回目 | 不支給 |
| ④ | eラーニング以外 | 3回目 | - | 支給 |
| ⑤ | eラーニング以外 | 4回目 | - | 不支給 |
③は不支給なので回数に数えず、④が3回目になります。生成AIの研修を「基礎編」「応用編」と2本のeラーニングに分けると、2本目は対象外になるおそれがあります。
対象になるeラーニングの条件
- 標準学習時間が10時間以上、または標準学習期間が1か月以上であること(1か月は10時間として計算)。
- LMS(学習管理システム)で、修了日・受講開始と終了の日時・受講時間・進捗率などを確認できること。確認できない場合は要件を満たしません。
- 訓練期間内に修了していること。
- 労働時間中に受けること。自宅で自発的に学んでいるとみなされると、支給されないことがあります(人材育成支援コースQ&A)。
- 令和8年8月3日からは、汎用的なプロンプトの作り方など職務に直結しない内容は、リスキリング支援コースの対象外とされています。
同じ研修費で比べた助成額
中小企業・リスキリング支援コース・1人22万円・10時間・1人受講の場合です。ライブ研修は、10時間すべてを所定労働時間内に受けたと仮定します。
| 形式 | 経費助成 | 賃金助成 | 合計 | 研修費の自己負担 |
|---|---|---|---|---|
| eラーニング | 15万円(16.5万円→上限) | 0円 | 15万円 | 7万円 |
| 同時双方向オンライン(8割以上受講) | 16.5万円 | 1万円 | 17.5万円 | 5.5万円 |
| 通学 | 16.5万円 | 1万円 | 17.5万円 | 5.5万円 |
差は1人2.5万円です。人数が多い、時間が長い、単価が高いほど差は広がります。自社の条件は助成金計算ツールで確かめてください。形式ごとの学びやすさは研修形式の比較にまとめています。
定額制(サブスク)や東京都の制度との違い
- 人への投資促進コースの定額制訓練:受け放題型のサービスが対象です。経費助成の上限は1人1か月2万円で、賃金助成はありません。計画届は契約期間の初日の1か月前までです。くわしくは人への投資促進コースへ。
- 東京都DXリスキリング助成金:都内の中小企業等が対象で、総研修時間3時間以上10時間未満の研修を助成します。教育機関が計画した公開研修(レディメイド)ならeラーニングも対象ですが、サブスク型(定額制)と通信添削は対象外です。消費税も対象外です。
よくある質問
Q. eラーニングとライブを組み合わせたらどうなりますか?
A. 組み合わせた訓練もeラーニングの回数(年度1回)に数えられます。人材育成支援コースのQ&Aでは、通学制の部分には賃金助成が出るとされています。
Q. 研修会社の「eラーニングも75%」は正しいですか?
A. 率は75%(中小・リスキリング支援コース)ですが、上限が1人1訓練15万円です。1人20万円を超える研修では75%になりません。
同じ前提で比べると、違いを確かめやすいよ。